MOCKUP · SPReAD 1000 企画(外観イメージ) #99 · AI for Science/医療テーマ
#99

食物アレルギーの「経口負荷試験」を安全に減らす——コンポーネント特異的IgEから『誘発閾値』をAIで個別予測する

🔬 allerthresh.research / food-allergy-threshold
AllerThresh — 食物アレルギーの誘発閾値予測
研究プロトタイプ ・ 経口負荷試験の記録を解析(ダミーデータ)
解析OFC 1,240件
解析した負荷試験
1,240
統合した検査項目
18項目
閾値予測 C-index
.82
▲ 区間打切り対応
不要OFC削減(試算)
38%
▲ 安全側で
誘発閾値の個別予測(用量–反応曲線)
分子感作プロファイル+臨床情報から、反応確率と誘発閾値を推定(ダミー症例:加熱全卵)。
予測閾値:加熱卵タンパク 約32mg(95%CI 12–80mg) / OFCトリアージ:判断困難 → 実施推奨
0%50%100% 1310 30100300 1000 反応確率 摂取タンパク量(mg・対数) 個別予測閾値 ≈ 32mg 95%CI 12–80mg
予測 用量–反応曲線 誘発閾値の95%CI 個別予測閾値
誘発閾値を下げる因子(モデル寄与・上位)
1オボムコイド(Gal d 1)特異的IgE 高値64%
2卵白 特異的IgE 高値53%
3過去の即時型症状(蕁麻疹・咳)あり44%
4アトピー性皮膚炎の合併31%
↑ 研究コード名「AllerThresh」。小児アレルギー外来のOFC記録とコンポーネント検査をデータに、
『どれだけ食べたら症状が出るか(誘発閾値)』をAIで個別予測した完成イメージ。
経口負荷試験(OFC)に頼る食物アレルギー診断を、コンポーネント特異的IgEと臨床情報から『誘発閾値』までAIで個別予測。危険で負担の大きい負荷試験を、本当に必要な子に絞り込む——完成したらこう見える、の外観イメージ。
上限 500万円(直接経費) 学生応募可(医学生=当事者) e-Rad 応募 第2回・2026年6月上旬予定 分野:医療AI × アレルギー免疫
🔬 問い・学術的背景

食物アレルギーの確定診断は今も経口負荷試験(OFC)が基準。少量から段階的に食べさせ数時間観察する検査で、アナフィラキシーのリスクと人手・時間の負担が大きく、実施枠は限られる。特異的IgE・皮膚プリック・コンポーネント(Gal d 1、ω-5グリアジン、Ara h 2 等)は反応性と相関するが、現場は各項目を個別カットオフで眺め「出る/出ない」に丸め、『どれだけ食べたら出るか(誘発閾値)』という連続量を捨てている

🎯 仮説・新規性

分子感作プロファイル(各コンポーネントのIgE量と組合せ)と臨床情報を統合すれば、OFCの陽性/陰性だけでなく誘発閾値の分布まで個別推定できる、と仮説する。既存のML研究はOFC陽性/陰性の判別(報告でAUC 0.91〜0.96)が中心で、閾値そのものの個別予測や、欧米と構成が異なる日本のアレルゲン(卵・乳・小麦が主体)での検証は手薄——ここが新規性。

🤖 AI活用の必然性

誘発閾値は「ある量で陰性、次の量で陽性」という区間打ち切りでしか観測されず、コンポーネント間の非線形な相互作用と大きな個人差が絡む。生存時間解析×多項目の表現学習で「感作の分子像→反応閾値」という写像を学ぶのは、単純な回帰では届かずAIの必然

💰 500万円の使途
  • ① OFC記録(投与段階・症状・CRD・SPT)の構造化と二次利用整備
  • ② 区間打ち切り対応の閾値推定モデル開発(GPU計算)
  • ③ 外部コホートでの較正・安全性評価(低用量の見落とし最小化)
  • ④ 可視化ダッシュボード試作
  • ⑤ 倫理審査(IRB)・データ管理
📈 期待成果・社会実装(出口)

明らかに陽性/陰性の子はOFCを省き、判断に迷う子へ検査資源を集中する「OFCトリアージ」。誤食時の重症化説明や、加工食品の注意喚起表示(コンタミ表示)の閾値設計にも波及しうる。Hiro自身が小児・アレルギーを学ぶ医学生=当事者で、検査現場の負担と判断の機微を知る強み。

※ 正直な関門:OFCはゴールドスタンダードで、AIは「安全に絞り込む補助」止まり・完全置換は不可(見落とせば重症化)。IgE/CRD測定は機器依存で施設間の移植性に課題。閾値は運動・感染などの補因子で揺れる連続量で、検証が難しい。日本の標準化OFCデータは限られ、規制上はSaMD/臨床判断支援に該当しうる。学生単独でも応募可だが、データ提供元の倫理・施設連携が前提。
完成イメージ(ダミーデータ)・想定データ資産=小児アレルギー外来のOFC記録+コンポーネント検査/ 企画ログ → spread-plans.md #99