心エコーは心機能をLVEF(駆出率)という1つの数字に丸めるが、EFは前負荷依存で粗く、EFが下がる頃には心筋はもう傷んでいる。スペックルトラッキングで測る心筋ストレイン(特にGLS)はEFより早く機能低下を捉えるが、いまも報告はGLS −18%のような単一値に切り詰められ、しかもベンダー間・判読者間でGLS値が食い違う。EACVI/ASEが10年かけても標準化は未完。なぜ豊かな変形情報を1つの数字に潰し、機器が変わると追えなくなるのか。
変形をGLSスカラーに潰さず、区域(17)×時間×成分(長軸/円周/半径ストレイン+ストレインレート)の時空間フィールドとして表現学習すれば、①ベンダー非依存な不変表現(ドメイン適応)で再現性を底上げし、②区域パターンと収縮後短縮から、心尖部温存(アミロイド)・中隔優位・心毒性の早期サインを単一GLSより高い再現性・早さで見分けられる、と仮説する。「1つのGLS値」を時空間の確率場へ拡張する点とベンダー不変学習が新規性。
区域×時間×複数成分の変形は人手で全数構造化できない。ベンダー間ばらつきは本質的に不変表現学習(ドメイン適応)の問題で、AIが最も得意とする。スペックルトラッキング自体が動画からの推定問題で、商用ブラックボックスより再現性の高い変形推定をAIで作れる。単一GLS値は時空間構造と不確実性を捨てる——AIなら区域パターンを確率として出せる=AIでしか届かない粒度。
ベンダー非依存の区域ストレイン解析プロトタイプ=学会・論文に加え、最初の出口は腫瘍循環器(抗がん剤心毒性の早期監視)で、既存の監視プロトコルにすぐ乗る。HFpEF・心アミロイドのフェノタイピングへ拡張し、外来エコーへの付加で「EFが下がる前の介入」に直結。Hiroは循環器という最頻出領域を医学生=当事者として持つ。