CRT(毛細血管再充満時間)は、指腹を数秒圧迫し解除後に皮膚色が戻るまでの時間。器具なくベッドサイドで測れる末梢灌流の窓で、ANDROMEDA-SHOCK 系の試験では敗血症性ショックの蘇生ターゲットとして乳酸に並ぶ位置づけになった。だが実測は「戻るまでの秒数」を目視で数えるだけで、皮膚色素・室温・観察者・圧迫力で大きくぶれる。なぜ重要指標が今も主観の数秒なのか、が出発点。
CRT は本来、色が戻る速度曲線・空間的な戻りの不均一・部位差を持つ「時空間フィールド」なのに、1つのスカラ秒数へ切り詰められてきた。動画の画素ごとの色回復ダイナミクスを表現すれば、秒数より灌流不全の重症度と分布を高解像度に捉えられる、と仮説する。日本で公開された定量CRTの時空間研究は前例が乏しく新規性がある。
画素レベルの色回復曲線 × 空間ヒート × 個体差(肌色・環境光・圧迫力)の較正は人手では不可能。時空間ディープラーニングで再灌流フィールドを表現し、肌色・照明にロバストな“標準化CRT”を出す=AIでしか到達できない粒度。単なる「秒数の自動計測」では戻りの形も不均一も見えない。
観察者ばらつきを超えた定量CRT=学会発表・論文に加え、蘇生の応答性モニタや、資源の限られた現場・小児ショックの早期認識へ。出口は「秒数」を機種・肌色をまたいで標準化する較正層。スマホ完結なので普及の敷居が低い。