MOCKUP · SPReAD 1000 企画(外観イメージ) #90 · AI for Science/医療テーマ
#90

食道の動きは、なぜ「数個の指標と離散カテゴリ」に切り詰められるのか——HRMの時空間フィールドから運動表現型をAIで解く

🔬 motilmap.research / esophageal-pressure-field
MotilMap — 食道運動の時空間フィールド解析
研究プロトタイプ ・ 多施設HRM 1,860検査を解析(ダミーデータ)
解析HRM 1,860検査
解析したHRM検査
1,860検査
潜在運動表現型
6
▲ 自己教師あり
治療反応予測
AUC.79
▲ POEM/拡張
「非結論」例の再分類
41%
▲ v4.0曖昧域
圧トポグラフィ(Clouseプロット)と AI の読み
縦=咽頭〜胃の解剖(カテーテル長)/横=時間。色=圧(青=低 → 赤=高)。1回の湿性嚥下を表示。
湿性嚥下 0s IRP 評価窓(4秒) 咽頭・UES近位食道遠位食道EGJ・LES AI の読み(較正確率 0.88) ・IRP 24 mmHg(>15)→ EGJ 流出は非弛緩 ・食道体部に汎食道加圧、収縮波は消失 → II型アカラシアと整合(POEM奏効域) 時間 →(10秒)
圧スケール低圧→ 高圧
AIが見つけた潜在運動表現型 × 治療反応(奏効率・ダミー)
1I型アカラシア(収縮消失)→ POEM91%
2II型(汎食道加圧)→ POEM/バルーン拡張86%
3III型(攣縮型)→ ロングPOEM70%
4EGJ流出閉塞(v4.0「非結論」→ 再層別)47%
↑ 研究コード名「MotilMap」。食道HRMの圧トポグラフィ(Clouseプロット)を時空間フィールドとして
AIで学習し、シカゴ分類の離散カテゴリを超えた運動表現型と治療反応を読む完成イメージ。
食道HRMは「食道全長×時間」の豊かな圧フィールドを生むのに、現行のシカゴ分類v4.0は少数の手作り指標と離散カテゴリに切り詰め、「非結論」の曖昧域を残す。フィールド全体をAIで学習し、連続的な運動表現型と治療反応に接地する——完成したらこう見える、の外観イメージ。
上限 500万円(直接経費) 学生応募可(医学生=当事者) e-Rad 応募 第2回・2026年6月上旬予定 分野:消化器内科 × 時空間信号AI
🔬 問い・学術的背景

嚥下障害や非心臓性胸痛の評価に使う高解像度マノメトリ(HRM)は、食道全長×時間の豊かな圧トポグラフィ(Clouseプロット)を生む。しかしシカゴ分類v4.0は、それを IRP・DCI・DL など少数の指標と離散カテゴリに還元し、しかも「結論的/非結論的」という曖昧域とバリウム・FLIPなどの補助検査依存を残す。この豊かなフィールドを切り詰めることで、何が失われているのか。

🎯 仮説・新規性

圧トポグラフィの時空間フィールド全体(v4.0の複数体位・誘発嚥下を含む)を学習すれば、嚥下間のばらつきを説明し、非結論例を再分類でき、アカラシア病型(I/II/III)やEGJ流出閉塞(EGJOO)の治療反応(POEM/バルーン拡張/筋切開)まで予測する「連続的な潜在運動表現型」が見つかる、と仮説する。離散カテゴリを超えて運動の生理に接地する点が新規。

🤖 AI活用の必然性

1検査あたり複数嚥下×複数体位の2次元(空間×時間)圧フィールドは、数個の手作り指標では捉えきれない。自己教師あり表現学習+時空間モデルで潜在構造を抽出する必要があり、AIでしか到達できない粒度。集計指標では「嚥下ごとの揺らぎ」や「非結論の正体」は見えない。

💰 500万円の使途
  • ① 多施設HRMの匿名化・構造化(ベンダー差の較正
  • ② 専門家アノテーション(シカゴ分類v4.0ラベル)
  • ③ GPU計算・自己教師あり学習
  • ④ 外部妥当性検証・治療反応の追跡整備
  • ⑤ 倫理審査(IRB)・結果公開(プレプリント・可視化Web)
📈 期待成果・社会実装(出口)

アカラシア病型ごとの治療選択支援、非結論例の解像、判読者間ばらつきの低減。学会発表・論文に加え、HRM読影支援としての実装。嚥下障害は見過ごされやすく、専門施設に偏在する読影知を広げる意義が大きい。

※ 正直な関門:HRMは専門施設に偏在し症例数が小さい(特にアカラシアは稀少)。正解はシカゴ分類の専門家合意=循環的で、分類自体がv4.0へ更新され続ける。ベンダー(センサ間隔・圧較正)差や体位プロトコルの不統一も壁。学生応募でも所属大学のe-Rad機関登録・承認が前提で、第2回の正式日程・公募要領は確定次第の確認が必要。
完成イメージ(ダミーデータ)・分野=消化器内科(食道運動)/ 企画ログ → spread-plans.md #90