嚥下障害や非心臓性胸痛の評価に使う高解像度マノメトリ(HRM)は、食道全長×時間の豊かな圧トポグラフィ(Clouseプロット)を生む。しかしシカゴ分類v4.0は、それを IRP・DCI・DL など少数の指標と離散カテゴリに還元し、しかも「結論的/非結論的」という曖昧域とバリウム・FLIPなどの補助検査依存を残す。この豊かなフィールドを切り詰めることで、何が失われているのか。
圧トポグラフィの時空間フィールド全体(v4.0の複数体位・誘発嚥下を含む)を学習すれば、嚥下間のばらつきを説明し、非結論例を再分類でき、アカラシア病型(I/II/III)やEGJ流出閉塞(EGJOO)の治療反応(POEM/バルーン拡張/筋切開)まで予測する「連続的な潜在運動表現型」が見つかる、と仮説する。離散カテゴリを超えて運動の生理に接地する点が新規。
1検査あたり複数嚥下×複数体位の2次元(空間×時間)圧フィールドは、数個の手作り指標では捉えきれない。自己教師あり表現学習+時空間モデルで潜在構造を抽出する必要があり、AIでしか到達できない粒度。集計指標では「嚥下ごとの揺らぎ」や「非結論の正体」は見えない。
アカラシア病型ごとの治療選択支援、非結論例の解像、判読者間ばらつきの低減。学会発表・論文に加え、HRM読影支援としての実装。嚥下障害は見過ごされやすく、専門施設に偏在する読影知を広げる意義が大きい。