MOCKUP · SPReAD 1000 企画(外観イメージ) #88 · AI for Science/医療テーマ
#88

熱傷は「初日の見た目」で深さを決められない——中間帯(zone of stasis)の72時間の運命をAIで読み、植皮の要否を先読みする

🔬 burncast.research / burn-depth-conversion
BurnCast — 熱傷の深達度・中間帯進行予測
研究プロトタイプ ・ 受傷0–72時間の多時点画像を解析(ダミーデータ)
解析症例 1,260例
解析した熱傷画像
1.9万枚
追跡した受傷後時点
0–72h
中間帯進行の予測
AUC.88
21日治癒の的中
84%
▲ 植皮の要否に直結
熱傷創の深達度マップと「中間帯(zone of stasis)」の72時間後の予測
中心=壊死帯(不可逆)/中間帯=治るとも壊死が深く進むとも転ぶ層/外=充血帯。赤い破線=AIが予測する「壊死へ進行する境界」。
72h予測:中間帯が壊死へ 進行 p=.42 壊死帯
壊死帯(凝固・不可逆) 中間帯 zone of stasis(可逆/進行) 充血帯(可逆) 72h予測:壊死進行の境界
創部セグメント別 中間帯の壊死進行リスク(受傷72時間予測)
赤=中間帯が壊死方向へ進む確率。初日の視診では見分けにくい部位を先読みする。
1左下縁(深達II度疑い・血流低下)71%
2中央周囲(中間帯が主体)48%
3上縁(充血帯寄り)23%
4右外側(浅達II度)12%
↑ 研究コード名「BurnCast」。受傷0–72時間の多時点画像+灌流を学習し、
中間帯(zone of stasis)の運命=植皮の要否を先読みする完成イメージ。
熱傷は「初日の見た目」で深さを決め切れない。Jacksonの中間帯(zone of stasis)は治るとも壊死が深く進むとも転ぶ——受傷0–72時間の多時点画像をAIで時系列解析し、21日以内に治るか=植皮の要否を早期に層別する、完成したらこう見える外観イメージ。
上限 500万円(直接経費) 学生応募可(医学生=当事者) e-Rad 応募 第2回・2026年6月上旬予定 分野:形成外科・救急 × 画像AI
🔬 問い・学術的背景

熱傷深達度(浅達性II度/深達性II度/III度)の初期判定は今も視診中心で、経験ある医師でも精度は約67%。Jacksonモデルの中間帯は可逆にも不可逆(壊死進行=burn conversion)にも転ぶが、「どの中間帯が・なぜ72時間で深くなるのか」は未解明のまま治療判断が下されている。

🎯 仮説・新規性

受傷0/24/48/72時間の連続画像+灌流情報の時系列を学習すれば、初日には見分けられない中間帯の運命(治癒 vs 壊死進行)を先読みでき、21日以内の自然治癒の可否=植皮の要否を早期に層別できる、と仮説する。既存AIは単一時点の深達度分類どまりで、動的進行(conversion)を時系列で解いた研究は乏しく新規性がある。

🤖 AI活用の必然性

参照標準のLDI(レーザードップラー)は受傷24–48時間は精度80%未満、72時間でようやく確定し、装置・熟練依存で小児では体動により困難。「初日の写真から72時間後を予測する」のは単時点判定では不可能で、画像×経過の時空間モデルが要る=AIでしか届かない粒度。

💰 500万円の使途
  • ① 多時点・多肌色の熱傷画像基盤と撮影標準化
  • ② LDI/21日治癒転帰によるラベリング
  • ③ GPU計算・モデル学習
  • ④ IRB・データ管理・匿名化
  • ⑤ 結果公開(プレプリント・可視化Web)
📈 期待成果・社会実装(出口)

中間帯進行の決定因子の科学的解明に加え、早期トリアージ(植皮要否・転院判断)。専門医の少ない初期診療や遠隔・被災地でのスクリーニングに出口がある。Hiro=救急/形成外科を学ぶ医学生として、現場の撮影制約とドメインの両面に通じる。

※ 正直な関門:「正解(深達度)」自体が曖昧——LDIも初期は不確実、組織診はまず行われず、ラベルは21日治癒という遅延・弱ラベルに頼らざるを得ない。撮影条件(照明・距離)と肌色によるばらつきが大きく多施設・多人種データが要る。2025年にEfficientNet+境界注意の単時点AI(モバイル1,684枚)が報告済で完全な空白ではない=差別化は「時系列でconversionを解く」点に賭ける。学生応募でも所属大学のe-Rad機関登録・承認が前提。
完成イメージ(ダミーデータ)/分野=形成外科・救急 × 医用画像AI ・ 企画ログ → spread-plans.md #88