除水(ultrafiltration)による血管内容量の低下で起きる透析中低血圧(IDH)は血液透析で最も頻度の高い合併症で、心血管イベント・死亡や透析の質低下に直結する。だが対応は今も「下がってから」の後手。院内急変の先読みや個別化setpointとは対象が異なり、これまで全企画で空白だった血液透析の分単位の生体時系列そのものを問う。
IDHはランダムでなく、血圧・相対血液量(RBV)・除水速度・透析液Na/温度・脈拍の多変量軌跡に崩れの予兆が刻まれる。新規性は「予測」でなく反実仮想——「除水速度/透析液Na/温度のどれをどう変えれば防げたか」という操作可能な設定への処方を、較正済み確率付きで数分前に出す点。
1回の透析が密な多変量時系列で、週3回×年単位の個人内反復がある。これをオンライン逐次モデルで統合し、しかも「医療者が予兆を見て先回り介入する」ために生じる治療パラドックス(ラベル汚染)を解くには、単なる分類でなく因果推論が要る=集計や単発の閾値では到達できない。
較正済みの「数分先IDHリスク+設定提案」の判断支援(臨床工学技士・透析医向け)と公開コード。出口は透析中の苦痛・血圧低下イベントの低減=世界最多級の日本の透析現場に効く。診断・処置は医療者が担い、SaMD規制の対象。