分娩進行は今もFriedman 曲線(1cm/時・1本の平均)に基づくWHOパルトグラムで管理される。だが Zhang らは現代の分娩がこの曲線に従わないと示し、Cochrane はWHOパルトグラムが帝王切開・母児転帰を改善しないと報告。胎児心拍CTG中心の研究や胎児発育の評価とは別に、母体側の「分娩進行そのもの」を問い、個別化基準の発想を分娩に持ち込む。
分娩進行は単一平均でなく、母体・胎児因子で条件づけた「個別化した正常軌跡」として表せ、内診のたびに逐次更新するオンライン予測で「緩徐だが正常」と「真の分娩停止」を分離できる、と仮説する。二値分類でなく動的な軌跡+反実仮想に踏み込む点が新規。
内診は間欠的・主観的で「点」しか得られない。子宮口開大・児頭下降・陣痛・児頭位置・母体因子の多変量時系列を生存時間/逐次ベイズで統合し個別化軌跡を描くのは、集計や単一曲線では不可能。説明可能AIでどの因子が停止を駆動するかを抽出する。
「個別化した分娩進行曲線」と較正済みの分娩停止リスク=学会・論文・公開コード。出口は産科医の判断支援で、不要な帝王切開と分娩停止の見逃しの両方を減らす。診断・処置は産科医が担い、SaMD規制の対象。