MOCKUP · SPReAD 1000 企画(外観イメージ) #73 · AI for Science/医療テーマ
#73

新生児聴覚スクリーニングの「リファー」を波形から読み直す——自動ABRをAIで解析し、難聴タイプの示唆・偽陽性削減・脱落予測まで繋ぐ

🔬 neotone.research / neonatal-abr
NEOTONE — 新生児ABRの波形解析
研究プロトタイプ ・ 新生児聴覚スクリーニングのABR波形を解析(ダミーデータ)
解析 新生児ABR 12,400件
解析したABR波形
12,400
閾値の自動推定一致
94%
▲ 専門医±5dB
偽陽性リファー削減
−41%
▲ 不要な再検査
難聴タイプ示唆
AUC.89
▲ 伝音/感音/ANSD
ABR波形スタック — 音圧を下げながら閾値を探る(ダミー)
パス/リファーの二択でなく波形そのものを解析。各音圧でV波を追跡し、最後にV波が再現できる音圧=推定閾値を出す。
刺激音圧(dB nHL) 806040 3020 反応なし(閾値未満) IIIIV V波 潜時トラッキング ✓ 推定閾値 30 dB nHL 036912 潜時(ms)
ABR波形(各音圧) V波の潜時トラッキング 推定閾値(パス相当)
難聴タイプの切り分け — 潜時–強度(L–I)関数(ダミー)
V波潜時が音圧でどう動くかで、正常・感音性(閾値上昇)を見分ける。OAE陽性なのにABR無反応のANSDは要注意フラグを立てる。
閾値≈50dB ANSD(聴神経 同期不全) OAE陽性 × ABR無反応 → 要注意 20406080 刺激音圧(dB nHL) 678 V波潜時(ms)
正常 感音性難聴(閾値上昇)
L–I関数の形+OAE併用で難聴タイプを示唆AUC .89
偽陽性リファー(再検査で正常化)の要因 上位
「リファー」のうち再検査で正常だった例を、AIがどの所見で見分けるか(ダミー)。これらが強いほど一過性=再検査を減らせる。
1一過性の中耳液・外耳道の残存(伝音成分)68%
2記録中の体動・筋電ノイズ混入59%
3加算回数不足・低SNRの記録52%
4生後時間が短い(出生直後の検査)45%
↑ 研究コード名「NEOTONE」。新生児聴覚スクリーニングのABR波形をAIで解析し、
閾値推定・難聴タイプの示唆・偽陽性リファーの切り分けまで行う完成イメージ。
新生児聴覚スクリーニングのABR波形を捨てずにAIで解析し、閾値推定・難聴タイプの示唆偽陽性リファーの削減・脱落予測まで繋ぐ——完成したらこう見える、の外観イメージ。
上限 500万円(直接経費) 学生応募可(医学生=当事者) e-Rad 応募 第2回・2026年6月上旬予定 分野:新生児聴覚・聴覚生理 × 医療AI
🔬 問い・学術的背景

新生児聴覚スクリーニング(NHS)は出生後早期に自動ABR(AABR)やOAEで「パス/リファー(要精密)」を機械判定するが、出力は二択で、波形が持つ情報(潜時・振幅・閾値曲線・難聴のタイプ)はほぼ捨てられている。リファーの多くは中耳の残存羊水など一過性要因による偽陽性で家族の不安と再検査コストを生む一方、本当の先天性難聴(約1/1000)やANSD(聴神経の同期不全)の見落とし・精密検査からの脱落(lost to follow-up)も課題。Hiroは産科・小児科・耳鼻科実習で新生児聴覚を当事者として診る立場。

🎯 仮説・新規性

パス/リファーの二択でなくABR波形の全情報(多音圧の潜時–振幅・波形形態・閾値)をAIでモデル化すれば、①閾値の自動推定精度を上げ、②伝音性/感音性/ANSDの難聴タイプを早期に示唆し、③一過性要因による偽陽性リファーを切り分けて再検査を減らせると仮説する。AABRの自動判定自体は普及済みだが、波形を捨てずタイプ推定+偽陽性削減+脱落予測まで一気通貫で繋ぐのは新規。

🤖 AI活用の必然性

ABRは微小電位(μV単位)で背景雑音に埋もれ、新生児では体動・筋電・心電が容易に混入する。多音圧の波形群から閾値と波形形態を同時推定するのは固定テンプレート照合では限界がある。ノイズ下の微小誘発電位の検出と潜時・振幅の動的パターン分類はAIの必然

💰 500万円の使途
  • ① GPU計算(微小誘発電位の検出・波形モデル学習)
  • ② 多施設のAABR/精密ABR生波形+確定診断(難聴タイプ・閾値・予後)の収集と匿名化
  • ③ 聴覚専門医・言語聴覚士による波形アノテーション
  • ④ 機種・電極・刺激条件横断の較正・妥当性検証
  • ⑤ IRB・結果公開(プレプリント・可視化)
📈 期待成果・社会実装(出口)

波形→推定閾値・難聴タイプ・偽陽性確率→精密検査の優先度と脱落リスク」を示す較正トリアージで、不要な再検査を減らしつつ本当に難聴のある児を確実に早期療育へ繋ぐ(難聴は療育開始が早いほど言語発達の予後が良い)。診断は専門医に委ね、本企画は波形の構造化と要精密度の提示に限定。将来は乳幼児の聴覚モニタや他の誘発電位(ASSR等)へ横展開。Hiroは医学生×エンジニアで生理信号処理と臨床の両面が効く。

※ 正直な関門:自動ABR(AABR)は確立・普及済み(貢献は波形を捨てない解析・タイプ推定・偽陽性/脱落予測に限定、世界初ではない)。新生児ABRの大規模ラベル付き生波形は入手が難しく多施設連携と長期の確定診断追跡が要る。ANSDは頻度が低く学習データが偏りやすい。機種・電極・刺激条件で波形が変わり交絡。医療機器化すれば薬機法SaMD。学生応募でも所属大学のe-Rad機関登録・承認が前提、第2回の正式日程・公募要領は確定次第の確認が要る。
完成イメージ(ダミーデータ)・分野=新生児聴覚・聴覚生理 × 医療AI / 企画ログ → spread-plans.md #73