糖尿病足潰瘍は下肢切断につながる重大合併症だが、皮膚が破れる前に局所の「炎症=温度上昇」が先行する。在宅の足部温モニタリングはRCT・メタ解析で潰瘍リスクを下げると示された一方、現場は「左右対応部位で2.2℃以上差」という単純ルールに留まり、偽陽性が多く必ずしも潰瘍に至らない。足部熱画像の時空間パターンから前潰瘍性炎症の動態そのものを解明できるか、が問い。
静的しきい値ではなく、足底を領域分割した温度マップの「時系列ダイナミクス(上昇の立ち上がり・持続・空間的広がり)」をAIで学習すれば、2.2℃ルールより早く・少ない偽陽性で潰瘍化を予測でき、前潰瘍性炎症のサブタイプを記述できる、と仮説する。AIサーモグラフィの先行(2025年に複数の横断研究)はあるが、縦断ダイナミクス+日本人足部での較正+説明可能なホットスポット提示は新規。
足底の温度場は被験者・室温・撮影条件で大きくばらつき、左右差の単純比較では交絡が乗る。領域分割+系列モデルで個人内ベースラインからの逸脱を学習し、足圧・既往と統合してこそ「危険な熱」を切り分けられる=人手・固定しきい値では到達できない粒度。
「この部位の熱の立ち上がりが危険→歩行を控え受診」という較正済み在宅アラートで、潰瘍・切断を先回りで減らす。確定診断・治療はフットケア/形成外科に委ね、本企画は前潰瘍性炎症の構造化と予測支援に限定。糖尿病療養指導・足外来へ橋渡しし、将来は末梢動脈疾患や褥瘡へ横展開。Hiroは医学生×エンジニアで臨床と画像処理の両面が効く。