尿沈渣は最も基本的でありふれた検査なのに、計数も「変形赤血球」の判定も術者依存でばらつく。血尿が糸球体性か尿路性か(腎臓内科紹介の入口)の鑑別は、位相差顕微鏡や熟練に頼っているのが実情だ。ありふれた標準明視野顕微鏡像から、要素の計数と血尿の起源推定をどこまで客観化・再現できるかは未解明。検尿は医学生が日常的に学び所見が可視化しやすい当事者領域である。
尿沈渣像に物体検出+形態分類を適用すれば、(1)RBC/WBC/円柱/結晶/上皮を較正した個/HPFで計数でき、(2)赤血球の変形(acanthocyte/G1細胞)と赤血球円柱から糸球体性血尿の確率を出力でき、(3)顕微鏡・施設・染色をまたいで再現する、と仮説。既報では普及済みのフローセル式自動尿分析装置が糸球体疾患の血尿を過小評価し変形赤血球を正しく認識できないと指摘されており、明視野顕微鏡像での変形赤血球の形態的同定と説明可能性に新規性がある。
沈渣は要素がまばらで多様、手作業計数は退屈で再現性が低く、acanthocyteの微妙な突起は非専門家に難しい。視野全体から小さな要素を検出・形態計量し、変形の程度を連続量で評価するのはAIでしか到達できない粒度と規模。単純な閾値や手作り特徴では、変形赤血球の判定も施設汎化も得られない。
標準顕微鏡で動く、計数と糸球体性血尿推定の説明可能AI+公開ベンチ=学会・論文。出口は検尿のスクリーニング省力化と腎臓内科紹介の的確化(無駄な精査を減らし、拾うべき糸球体疾患を拾う)。確定診断・治療は腎臓専門医、本企画は計数と起源推定の支援に限定。Hiro=医学生×エンジニアで臨床検査と画像処理の両面が効く。