MOCKUP · SPReAD 1000 企画(外観イメージ) #61 · AI for Science/医療テーマ
#61

バイタルは「触れずに」測れるか——一般カメラの顔動画から心拍・呼吸・脈の不整をAIで非接触推定し、肌色・動きへの頑健性まで解明する

📷 vitalux.research / contactless-vitals
VITALUX — 非接触バイタルAI(rPPG)
研究プロトタイプ ・ 顔動画から心拍・呼吸・脈の規則性を非接触推定(ダミーデータ)
解析 3.8万動画 ・ 多様な肌色・条件
解析した顔動画
3.8万本
多様な肌色・条件
心拍の非接触推定
2.4bpm
MAE・良条件
体動・暗条件で
7.9bpm
▲ 精度低下
SpO2・血圧の非接触
参考外
▲ 規制・未確立
顔動画からの非接触バイタル+肌色公平性(ダミー)
左=顔のROI(額・両頬)から心拍ごとの微小な色変動を抽出。右上=復元したrPPG脈波(≈72bpm、参照ECGのR波と整合)。右下=肌色が濃いほど誤差(MAE)が増える傾向を可視化し較正で縮める。確定診断でなく参考値。
顔動画 / ROI抽出 測定ROI(額・両頬) 復元rPPG脈波 ≈72 bpm 皮膚の心拍性の微小な色変動を復元(破線=参照ECGのR波) 肌色別の誤差(MAE) 誤差↑
復元rPPG脈波 測定ROI(額・両頬) 肌色での誤差(MAE) 参照ECG・SpO2(参考)
心拍 72bpm(非接触)推定
呼吸数 16回/分推定
脈の規則性 不整RR変動 大要確認
AI推定 非接触バイタル(信号品質つき)
良好参考要再測不可
非接触での脈の不整 / 心房細動の「手がかり」
脈の不整 要確認
脈の規則性が低下(RR変動 大)・確定診断でなく心電図での確認を促す ・ ※SpO2・血圧の非接触推定は参考外、医療判断は機器・医師が担う
非接触推定の誤差に効く要因(特徴・上位)
値=心拍・呼吸の非接触推定の誤差に効いた要因(SHAP風、ダミー)。肌色・動き・照明への頑健性が本丸で、ここを較正できるかが鍵。
1体動・頭部の動き74%
2照明・露出の変化60%
3肌色(メラニン量)52%
4化粧・遮蔽・カメラ品質40%
5参照計測の同期ずれ30%
↑ 研究コード名「VITALUX」。一般カメラの顔動画から心拍・呼吸・脈の不整を非接触で推定し、
肌色・動きへの頑健性と不確実性まで示す完成イメージ。
一般カメラの顔動画から心拍・呼吸・脈の規則性を非接触で推定し、肌色・動きへの頑健性と不確実性まで示す——完成したらこう見える、の外観イメージ。
上限 500万円(直接経費) 学生応募可(医学生=当事者) e-Rad 応募 第2回・2026年6月上旬予定 分野:遠隔医療・生体医工学 × rPPG
🔬 問い・学術的背景

バイタル(心拍・呼吸・脈の規則性)は医療の基本だが、測定は接触・専用機器・人手が前提で、遠隔診療や在宅・待合では空白になりやすい。一方、顔の皮膚は心拍ごとに血流で微小に色が変わり(rPPG)、一般カメラの動画から脈波を復元できる。だが動き・照明・化粧・カメラ品質、そして肌色(メラニン量)でノイズが大きく変わる。複数の生理量を肌色に公平に・不確実性つきで非接触に測れるか。遠隔診療やバイタル測定に日々触れる医学生Hiroは当事者で、何が臨床で許容され何が誇大かを肌感覚で持つ。

🎯 仮説・新規性

顔動画から深層時空間モデルでrPPG脈波を復元し、心拍・呼吸数・HRV・脈の規則性を同時推定できる。さらに肌色・動き・照明ごとの性能劣化を定量し較正すれば、暗い肌色でも誤差を縮められる、と仮説。新規性は、(1)日本人を含む多様な肌色での公平性評価、(2)単一でなくマルチ生理の同時推定、(3)推定に不確実性(信頼区間・信号品質)を必ず添える、の3点を一体で扱う点。

🤖 AI活用の必然性

心拍ごとの皮膚色変化は振幅が極めて小さく人の目には見えない。体動・照明変動・圧縮ノイズという交絡から、微弱な脈動成分だけを分離するには深層時空間モデルが要る。肌色・条件ごとの系統誤差の学習と較正も、手作りの信号処理では届かない=AIでしか届かない粒度。

💰 500万円の使途
  • ① 多様な肌色・年齢・動き・照明条件の顔動画と参照(ECG/SpO2/呼吸)の同期収録・倫理審査・匿名化
  • ② 時空間モデルの計算(GPU)
  • 肌色・照明・動きごとの公平性/誤差評価と較正
  • 不確実性つきの可視化UI試作
  • ⑤ 公開ベンチマークとプレプリント
📈 期待成果・社会実装(出口)

肌色に公平・マルチ生理・不確実性つきの非接触計測ベンチマーク=学会・論文。出口は遠隔診療・在宅・待合での一次トリアージ(あくまで参考値)。確定診断やSpO2・血圧の非接触推定は機器・医師に委ね、本企画は支援に限定。Hiroは遠隔診療に触れる当事者の医学生で社会的意義が大きい。

※ 正直な関門:顔から心拍を読むrPPGの基礎はすでに商用化・確立されており、そこを新規性として誇張しない(新規性は公平性+マルチ生理+不確実性+日本人較正に絞る)。動き・低照度・化粧・暗い肌色で精度は落ち、肌色バイアスは未解決の中心課題。SpO2・血圧の非接触推定は誇大広告が問題化しており慎重に扱う(医療機器規制の対象)。心房細動などは「手がかり」で確定診断ではない。顔動画は要配慮個人情報で同意・匿名化の負荷が重い。診療実装はSaMD規制の対象で、学生応募は所属大学のe-Rad機関登録・承認が前提、第2回の正式日程は確定次第の確認が必要。
完成イメージ(ダミーデータ)・参照=多様な肌色・条件の顔動画+参照計測(ECG/SpO2/呼吸) / 企画ログ → spread-plans.md #61