統合失調症などの精神病は発症前に「精神病ハイリスク状態(CHR)」を経るが、誰が・いつ発症へ移行するかの予測は今も臨床面接頼りで難しい。一方、思考のまとまりの乱れ(連合弛緩・脱線)は発話に表れ、意味的一貫性の低下や統語の単純化が発症移行と関連すると報告されてきた。だが評価は主観的で再現性が低い。発話から思考のまとまりを客観的に定量し、発症の前にリスクを層別できるか。精神保健は医学生にとっても身近で、画像でなく「ことば」という可視化しやすい対象が効く。
自由発話を文埋め込み(SBERT等)でベクトル化し、文間の意味的一貫性・その分散・統語複雑性・談話のつながりをグラフで表せば、臨床面接だけより一貫してCHRから発症移行を層別でき、同じ表現で回復・悪化の軌跡を縦断で描ける、と仮説。「重症度の推定」でなく「発症の前駆を発話構造で捉え軌跡化する」点が新規。
文間の微妙な意味のずれや脱線、統語の単純化は人手では一貫して測れず、長い自由発話の動態は主観評価に埋もれる。文埋め込みとグラフ表現の機械学習でしか、意味的一貫性の低下と発症移行の関係、その個人内の軌跡は出せない=AIでしか届かない粒度。
発話指標と発症移行・回復の軌跡=学会・論文。出口はまずCHR外来での経過モニタリング(面接の補助・変化の早期察知)と、専門医が少ない地域での相談支援。最終判断は精神科医が担い本企画は支援に限定。Hiroは精神科を学ぶ医学生=当事者で、若年のメンタルヘルスは社会的意義が大きい。