先天性心疾患(CHD)は最も頻度の高い重大先天異常(約1/100)で、出生前に見つかれば分娩・周産期管理を最適化でき新生児の予後が変わる。だが通常の妊婦健診での出生前検出率は施設・術者で大きくばらつき(報告34〜85%、一部9.3%)、撮れていても気づかれず見逃される。胎児スクリーニングを学ぶ立場から、その検出をAIで底上げできるか——が問い。
スクリーニングの胎児心エコー動画から標準断面(四腔・流出路)を認識し時系列で表現学習すれば、専門外の術者が撮った映像でもCHDを較正確率で検出でき、同時に「断面がちゃんと撮れているか(描出の質)」まで評価できる、と仮説。単施設の分類でなく「断面認識・検出・描出品質・施設や装置をまたいだ較正」を一体で構造化する点が新規。
胎児は向きが一定せず心臓は小さく拍動し、装置・ズーム・撮り方が施設ごとに違う。1検査が数千フレームの動画で人手では総覧できず、微妙な断面のズレや所見は時系列の動画モデルでしか安定に捉えられない。単施設98%でも他施設82%へ落ちる汎化ギャップの克服は多施設データの表現学習が要る=AIでしか到達できない。
施設・装置をまたいで較正された胎児CHD検出と描出品質の構造マップ=学会・論文。出口はまず一般産科健診での「撮れているか/紹介すべきか」の補助と胎児心精査への橋渡し、将来は撮影ガイド。確定診断と方針は胎児心臓専門医・産科医が担い、本企画はスクリーニング補助に限定。Hiroは胎児スクリーニングを学ぶ医学生=当事者。