MOCKUP · SPReAD 1000 企画(外観イメージ) #46 · AI for Science/医療テーマ
#46

「同じ薬でも効く人・害が出る人」をゲノムから読む——薬理応答と重篤副作用をAIで予測する

🔬 pharmos.research / pgx-response-prediction
PHARMOS — 薬理ゲノム的応答予測
研究プロトタイプ ・ 公開コホート+日本人バイオバンクを解析(ダミーデータ)
解析ゲノム 8.4千例
解析した患者ゲノム
8.4千例
重篤ADRの予測(vs既知CPIC)
AUC.90
▲ 既知ペアで検証
日本人で寄与大のアレル
23
▲ ここが萌芽の核心
集団をまたいだ再現(外部)
AUC.74
▲ 外部妥当性が課題
薬理ゲノム・パスポート(遺伝子型 → 代謝表現型 → 薬剤リスク)
左=主要な薬理遺伝子の二倍体型と推定表現型。右=較正確率での処方リスク(参考)。未知変異は機能予測で補完。
遺伝子型 → 代謝表現型 CYP2C19CYP2D6NUDT15 UGT1A1DPYDSLCO1B1 *2/*2*1/*10*1/*3 *6/*28*1/*1*1/*5 PM・低代謝 IM・中間 IM・中間 低活性 正常 低下 処方支援(CDS・参考) クロピドグレル CYP2C19 PM → 効果不十分リスク リスク 高(較正確率 .78) → 抗血小板薬の変更を検討 NUDT15 IM:チオプリンは減量を考慮 研究の核心指標 祖先をまたいだ再現 AUC .74 日本人特異的アレルを反映 未知変異(VUS)は機能予測で補完
低代謝/低活性(高リスク) 中間/低下 正常
日本人で寄与の大きい薬理ゲノム・アレル(対立遺伝子頻度:日本人 vs 欧米)
棒=日本人での頻度(概算・イメージ)。欧米中心のエビデンスから外れる部分が萌芽の核心。
1CYP2D6*10 ・多くの薬(日本40%/欧米2%)40%
2CYP2C19*2 ・抗血小板薬/PPI(日本30%/欧米15%)30%
3UGT1A1*6 ・イリノテカン毒性(日本16%/欧米~0%)16%
4NUDT15*3 ・チオプリン毒性(日本10%/欧米~0%)10%
↑ 研究コード名「PHARMOS」。公開コホート+日本人バイオバンクをデータに、遺伝子型→薬剤応答・
重篤副作用と日本人特異的アレルの寄与をAIで予測した完成イメージ。
薬の効き・副作用の個人差をゲノムからAIで予測し、欧米中心のエビデンスでは見えにくい日本人特異的アレルの寄与まで解明する——完成したらこう見える、の外観イメージ。診断・処方は医師に残す。
上限 500万円(直接経費) 学生応募可(医学生=当事者) e-Rad 応募 第2回・2026年6月上旬予定 分野:臨床薬理 × ゲノムAI
🔬 問い・学術的背景

同じ用量でも薬の効果・副作用は人で大きく違い、その一部は薬物代謝酵素・輸送体の遺伝子多型(CYP2C19・CYP2D6・NUDT15・UGT1A1・DPYD等)で説明できる。だが現場のPGxは部分的に注釈された「スターアレル」に依存し、新規変異や複雑なハプロタイプは解釈不能のまま。さらに既存エビデンスは欧米集団中心で、日本人で頻度の高いアレル(例:CYP2C19の機能喪失型はアジア系で約2倍)の寄与は十分解明されていない。薬理は国試のコアで、医学生=当事者領域。

🎯 仮説・新規性

変異の機能を学習する計算的予測(deep mutational scanning等の機能マップ)+多遺伝子・薬剤・臨床共変量の統合モデルを使えば、未知変異を含む代謝表現型と重篤副作用(ADR)を較正確率で予測でき、かつ日本人特異的アレルの寄与を定量できる、と仮説。単一アレルの分類でなく「機能予測・多遺伝子統合・祖先をまたいだ較正」を一体で構造化する点が新規。

🤖 AI活用の必然性

数千変異規模の機能マップやexome規模のデータは人手で解釈できない。遺伝子×遺伝子×薬剤の非加算的な相互作用や未知変異の影響はアンサンブル/深層モデルでしか捉えられず、星アレル表の単純照合ではnovel variantと複雑ハプロタイプを取りこぼす=AIでしか到達できない粒度。

💰 500万円の使途
  • ① 公開コホート・バイオバンク(日本人含む)データ利用・整備・倫理審査
  • ② 変異機能予測+多遺伝子統合モデルの開発・GPU計算
  • ③ 臨床薬理専門家による表現型・ADRアノテーション
  • ④ 外部集団での較正検証(祖先層別)
  • ⑤ 「薬理ゲノム・パスポート」UI試作・プレプリント・可視化Web
📈 期待成果・社会実装(出口)

祖先をまたいで較正されたPGx応答・ADR予測と日本人特異的アレルの寄与マップ=学会・論文。出口はまず処方支援の研究ツールと薬理教育、将来はCPIC型ガイドラインの日本人最適化や処方前チェックの補助。診断・処方は医師が担い本企画は補助。HiroはCYP等を学ぶ医学生=ドメインとデータ両面で当事者

※ 正直な関門:PGxは一部の遺伝子-薬剤ペア(NUDT15-チオプリン、UGT1A1-イリノテカン等)で保険適用・臨床導入が進む一方、多くのペアで「検査して投与を変えると本当に転帰が改善するか」のRCTエビデンスは限定的で臨床的有用性の証明が壁。生殖細胞系列ゲノムは機微情報でデータ利用・プライバシー・倫理審査が重く、日本人大規模コホートへのアクセスも容易でない。未知変異(VUS)の機能評価は依然困難。学生応募可だが所属大学のe-Rad機関登録・承認が前提、第2回の正式日程・公募要領は確定次第確認。
完成イメージ(ダミーデータ)・元データ資産=公開コホート/日本人バイオバンク(薬理ゲノム)/ 企画ログ → spread-plans.md #46