MOCKUP · SPReAD 1000 企画(外観イメージ) #22 · AI for Science/医療テーマ
#22

健診の心電図に埋もれた「無症候の心臓病」をAIで拾う——12誘導心電図から構造的心疾患と将来の心房細動を検出し、根拠を波形の言葉で説明する

🫀 latens.research / ecg-screening
Latens — 健診心電図から無症候の心臓病を拾う
研究プロトタイプ ・ 12誘導心電図の深層学習+根拠提示(ダミーデータ)
解析ECG 3.5万件
解析した健診ECG
3.5万件
無症候の左室機能低下 検出AUC
.90
心エコーとの一致(κ)
.78
▲ 二次精査トリアージ
将来AF(1年) AUC
.83
▲ 先制スクリーニング
健診の12誘導心電図から、症状の出る前の異常の痕跡をAIが拾い、どこが効いたかを波形上に示す
洞調律(一見正常)のECGでも、P波・QRS・T波の微細特徴に無症候の左室機能低下や将来の心房細動の痕跡が残りうる。AIが着目した区間を赤帯(saliency)で表示。実測ではなくダミー描画。
AI着目:P波の延長・ノッチ=左房負荷(将来AFの痕跡) P波 QRS T波 0秒 約1秒 約2秒 12誘導のうち II 誘導を表示(AIは全12誘導を解析)・ダミー波形
12誘導心電図の波形(II誘導) AIが着目した区間(根拠) 基線
「無症候の心臓病」を示唆する心電図特徴 上位(寄与度)
1P波の延長・ノッチ(左房異常)24%
2QRS低電位・軸偏位(左室機能低下の痕跡)22%
3ST-Tの非特異的な微細変化19%
4PR間隔・心拍の揺らぎ18%
5V1のP波終末陰性成分(左房負荷)17%
↑ 研究コード名「Latens」。健診の12誘導心電図から、症状の出る前の
構造的心疾患と将来の心房細動の痕跡をAIで拾い、根拠を波形の語彙で示した完成イメージ。
健診の12誘導心電図の多くは「異常なし」で流れる。だが無症候の構造的心疾患や将来の心房細動は、洞調律の波形に痕跡を残しうる。AIが微細特徴を拾いどの誘導・区間が効いたかを心電図の語彙で示し、心エコーへの二次精査を最適化する——完成したらこう見える、の外観イメージ。
上限 500万円(直接経費) 学生応募可(医学生=当事者) e-Rad 応募 第2回・2026年6月上旬予定 分野:循環器 × 12誘導心電図の深層学習
🔬 問い・学術的背景

12誘導心電図(ECG)は健診・外来で大量に記録されるが、その多くは「異常なし」として流れる。一方、症状の出る前の構造的心疾患(左室収縮機能低下・弁膜症・心肥大)や、将来の心房細動(AF)は、洞調律のECGにすでに微細な痕跡を残しうる。海外では低駆出率の検出や洞調律からのAFの先制検出がCNNで実証されつつあるが、(1)健診という大量・均質データで何がどこまで拾えるか、(2)人の心電図学(P波・QRS・T波・各誘導)の語彙で根拠を説明できるか、(3)装置・体格をまたいで一般化するか、は途上。心電図は国試の華で、医学生自身が判読を学ぶ当事者。

🎯 仮説・新規性

健診の洞調律ECGから、まだ症状のない構造的心疾患の保有者と、近い将来AFを発症する高リスク者を、波形の微細特徴で識別できると仮説。新規性は、(1)単一疾患の分類器でなく「埋もれた無症候異常の拾い上げ(オポチュニスティック・スクリーニング)」に焦点、(2)寄与した誘導・区間・波形要素を心電図の語彙に対応づけて説明、(3)日本の健診文脈での一般化と外部検証

🤖 AI活用の必然性

無症候期の痕跡は多誘導にまたがる微細な時空間パターンで、目視判読の閾値以下。深層学習+説明可能AI(saliency・プロトタイプ)でしか、信号の所在と臨床表現型の対応を再現性高く定量できない。

💰 500万円の使途
  • ① 公開ECGデータセット(PTB-XL等)+計算環境・GPU
  • ② 心エコー所見・将来のAF発症など参照ラベル整備の謝金
  • 説明可能AI(誘導・区間の寄与可視化)の実装
  • ④ 循環器・健診医との検討会
  • 根拠提示ダッシュボード試作・学会発表・プレプリント
📈 期待成果・社会実装(出口)

健診ECGからの「埋もれた無症候異常」拾い上げの実証と、根拠提示UIの試作。出口は健診・検診の二次精査トリアージ(心エコーへの誘導)で、見落とされがちな無症候性心疾患の早期発見につなげる。Hiroは心電図判読を学ぶ医学生=当事者

※ 正直な関門:米国(Mayo等)のAI-ECGが先行し商用化も進む——新規性は日本健診文脈・説明可能性・無症候拾い上げに絞る必要。ラベル(心エコー所見・将来のAF発症)の紐付けと追跡が要り、データ整備が重い。ECGは生体認証になりうる強い個人情報で同意・再識別が重い。装置・誘導配置・体格・併存薬で波形は揺れ、外部検証ではサブグループ差で性能が落ちうる。相関であって因果ではなく、診断の置換でなく補助に留め、SaMD・健診運用の整理を要する。学生応募可だが所属大学のe-Rad機関登録・承認が前提、第2回の正式日程・公募要領は確定次第確認。
完成イメージ(ダミーデータ)・元アイデア → spread-plans.md #22