体内時計(概日リズム)の位相と社会的時刻のズレ(社会的時差ぼけ)は、肥満・糖尿病・うつ・夜勤者の事故や発がんリスクとの関連が指摘される。だが個人の概日位相は今もメラトニン分泌開始(DLMO)や深部体温リズムという暗室・連続採取の実験でしか測れず、日常では事実上"測れない量"。豊かな日常生理データから体内時計を推定できるか——が問い。
心拍・心拍変動・皮膚/深部体温・活動・(可能なら)光曝露の多変量時系列に概日振動子の生理モデルを組み込んだ時系列表現学習を適用すれば、(1)個人の概日位相をDLMO相当で推定、(2)運動・食事=マスキングと内因性リズムを分離、(3)位相のズレ・不安定さを健康アウトカムに接地できる、と仮説。生理モデル×自己教師あり×日本人/シフトワーカー較正が新規。
概日位相は直接観測できない潜在変数で、弱く位相のずれた多リズムから逆推定するしかない。マスキングを外し欠測の多い実生活データから安定に位相を取り出すのは人手では不可能で、生理モデルを内包した時系列深層モデル+少数のDLMO較正が要る。中点睡眠時刻などの要約では位相と振幅・安定性を分離できない。
日常ウェアラブルから概日位相を推定するベンチマーク+ズレと健康の関連=学会・論文。出口は(a)夜勤者の体内時計ズレの見える化と勤務・光・仮眠の設計、(b)せん妄・ICU・術後回復の概日リスク評価、(c)医学生・研修医の当直/シフト健康管理の教材。Hiroは当直・実習でシフト不調を体験する当事者として、初学者と労働者双方の困りを内側から設計できる。