膵嚢胞(多くはIPMN=膵管内乳頭粘液性腫瘍)は偶発的に大量発見され、大半は生涯癌化しないが一部は浸潤癌に進む。現行は国際consensus(福岡/京都ガイドライン=日本主導)が「worrisome features/high-risk stigmata」という少数の二値特徴に切り詰めて手術可否を決めるが、特異度が低く、高侵襲な膵切除の過剰と見逃しが併存する。豊かな3D・経時画像を粗い特徴に還元することで、何が失われているのか。
多時点のMRCP/MRI+EUS画像に時空間表現学習を適用すれば、(1)嚢胞・分枝/主膵管・壁在結節を3Dで定量し、(2)個々の嚢胞の増大・形態変化のダイナミクスから悪性化の「軌跡」を抽出し、(3)施設・機種をまたいで較正したリスクを出せる、と仮説。静的特徴の分類でなく経時ダイナミクス×マルチモーダル×日本人コホート較正が新規。日本はガイドラインを主導するがAI定量は途上。
嚢胞は3D・多発・経時で変化し、危険サインは壁在結節の微細な増大や主膵管の連続性に宿る。EUS(操作者依存)とMRI(機種依存)の統合、嚢胞ごとの経時レジストレーション、稀な進行イベントの学習は人手では不可能。マルチモーダル時空間モデル+説明性でしか「軌跡」を客観化できない。
嚢胞の経時ダイナミクス×悪性化の較正ベンチマーク=学会発表・論文。出口は(a)不要な膵切除を減らし見逃しも減らす経過観察の個別化、(b)サーベイランス間隔の最適化、(c)医学生・研修医向けに「IPMNのworrisome featuresと自然史」を結ぶ教材。Hiroは消化器・画像実習で偶発膵嚢胞の経過観察に直面する当事者。