MOCKUP · SPReAD 1000 企画(外観イメージ) #117 · AI for Science/医療テーマ
#117

偶発的に見つかる膵嚢胞(IPMN)の「どれが危ないか」を、多時点画像の時空間ダイナミクスでAIが較正する

🔬 wirsung.research / pancreatic-cyst-atlas
Wirsung — 膵嚢胞(IPMN)サーベイランス
研究プロトタイプ ・ MRCP/EUSを経時解析(ダミーデータ)
追跡 2,400症例
解析した膵嚢胞
4,800
連携施設
9施設
追跡期間(中央値)
3.4
悪性化の予測
AUC.86
▲ 経時×マルチモーダル
膵嚢胞マップ(MRCP/EUSから再構成)
緑=分枝型の低リスク嚢胞/橙=worrisome(壁在結節・主膵管拡張)/太線=主膵管(Wirsung)。代表例の経時推移を下段に表示。
十二指腸 壁在結節+増大 膵尾部 膵体部 膵頭部 代表例:最大嚢胞径の推移 '23'24'25'26 28mm
分枝型・低リスク嚢胞 worrisome 所見 主膵管(Wirsung)
増大速度 1.0cm/2年 + 壁在結節の出現=worrisome features に該当。福岡/京都ガイドラインの二値判定に対し、「軌跡」を連続リスクに変換して評価する(ダミー)。
嚢胞の表現型と悪性化リスク(経時ダイナミクスで層別)
静的な所見分類でなく、経時の増大・形態変化を含めた較正済みリスク(ダミーデータ)。
1分枝型・安定(増大なし・結節なし)8%
2分枝型・緩徐増大(要経過観察)19%
3worrisome(壁在結節 <5mm/急速増大)46%
4主膵管型・主膵管拡張(≥10mm)60%
5high-risk stigmata(造影される結節≥5mm)79%
↑ 研究コード名「Wirsung」(=主膵管)。多時点のMRCP/EUSから膵嚢胞・主膵管・壁在結節を
定量し、経時ダイナミクスで悪性化リスクを較正した完成イメージ(ダミーデータ)。
CT/MRIの普及で偶発的な膵嚢胞(IPMN)が大量に見つかる時代。大半は癌化しないのに、現行ガイドラインは少数の二値特徴で手術可否を決め、不要な膵切除見逃しの両方を残す。多時点画像の時空間ダイナミクスから悪性化リスクをAIで較正する——完成したらこう見える、の外観イメージ。
上限 500万円(直接経費) 学生応募可(医学生=当事者) e-Rad 応募 第2回・2026年6月上旬予定 分野:膵臓病学 × 胆膵画像AI
🔬 問い・学術的背景

膵嚢胞(多くはIPMN=膵管内乳頭粘液性腫瘍)は偶発的に大量発見され、大半は生涯癌化しないが一部は浸潤癌に進む。現行は国際consensus(福岡/京都ガイドライン=日本主導)が「worrisome features/high-risk stigmata」という少数の二値特徴に切り詰めて手術可否を決めるが、特異度が低く、高侵襲な膵切除の過剰と見逃しが併存する。豊かな3D・経時画像を粗い特徴に還元することで、何が失われているのか。

🎯 仮説・新規性

多時点のMRCP/MRI+EUS画像に時空間表現学習を適用すれば、(1)嚢胞・分枝/主膵管・壁在結節を3Dで定量し、(2)個々の嚢胞の増大・形態変化のダイナミクスから悪性化の「軌跡」を抽出し、(3)施設・機種をまたいで較正したリスクを出せる、と仮説。静的特徴の分類でなく経時ダイナミクス×マルチモーダル×日本人コホート較正が新規。日本はガイドラインを主導するがAI定量は途上。

🤖 AI活用の必然性

嚢胞は3D・多発・経時で変化し、危険サインは壁在結節の微細な増大や主膵管の連続性に宿る。EUS(操作者依存)とMRI(機種依存)の統合、嚢胞ごとの経時レジストレーション、稀な進行イベントの学習は人手では不可能。マルチモーダル時空間モデル+説明性でしか「軌跡」を客観化できない。

💰 500万円の使途
  • ① 協力施設の膵嚢胞MRCP/EUSと経過・病理・転帰の連携、IRB・匿名化
  • ② 胆膵専門医による嚢胞・結節アノテーション
  • ③ GPU/API(3D・時系列・マルチモーダルモデル)
  • ④ 機種・施設横断の較正と経時レジストレーション
  • ⑤ 可視化ダッシュボード試作・プレプリント/コード公開
📈 期待成果・社会実装(出口)

嚢胞の経時ダイナミクス×悪性化の較正ベンチマーク=学会発表・論文。出口は(a)不要な膵切除を減らし見逃しも減らす経過観察の個別化、(b)サーベイランス間隔の最適化、(c)医学生・研修医向けに「IPMNのworrisome featuresと自然史」を結ぶ教材。Hiroは消化器・画像実習で偶発膵嚢胞の経過観察に直面する当事者

※ 正直な関門:AIによるIPMNリスク層別は既に国際的に活発(多施設MRIの連合学習がガイドラインを上回りうる報告もある)=完全な空白ではない・誇張しない。差別化は「経時ダイナミクス×EUS-MRI×日本人較正」に絞る。「悪性」の正解は手術病理でしか確定せず、切除嚢胞だけが真値→選択バイアス、大半は打ち切り(censored)。自然史が遅く進行イベントは稀で長期追跡が要る。EUS↔MRIのレジストレーションは難しく、過剰診断回避の較正が必須。臨床導入はプログラム医療機器(SaMD)の整理が要る。学生応募可だが所属大学のe-Rad機関登録・承認が前提、第2回の正式日程・公募要領は確定次第確認。
完成イメージ(ダミーデータ)・元データ資産=協力施設の膵嚢胞画像(仮想連携)/ 企画ログ → spread-plans.md #117