機能性ディスペプシア・慢性悪心・胃不全麻痺(gastroparesis)は外来に非常に多いのに、標準の胃排出シンチは「速い/遅い」の一指標に切り詰め、しかも症状や治療反応との相関が弱い。古典的な単一誘導の胃電図(EGG)は信頼性が低く廃れた。体表の高密度アレイで胃スローウェーブを二次元再構成するBSGMは登場したが、どの時空間パターンがどの病態・症状に対応するかは未解明。
スローウェーブの時空間フィールド(伝播の向き・速度・不整・周波数勾配)に病態情報が符号化されている、と仮説。AIで全フィールドを連続表現(gastric electrome)すれば、伝導/リズム異常の表現型を抽出し、症状・治療反応に接地し、体格・電極配置・機種をまたいで較正できる。少数の要約指標やラベル分類でなく、全フィールドの生理接地が新規。
体表→胃面は逆問題で、信号は多チャンネル・長時間・空間構造を持つ。危険な情報は数十秒〜分の伝播の乱れや微弱な周波数偏位に宿る。逆問題再構成・時空間モデル・説明性、被検者ごとの解剖差(脂肪・電極ズレ)を吸収する正規化はAIでしか実用化できない。単純な集計では伝播の異常は見えない。
時空間表現×症状接地のベンチマーク+較正ツール=学会発表・論文。出口は(a)機能性ディスペプシア/胃不全麻痺の客観的層別(検査正常で困る患者の可視化)、(b)治療(プロカイネティクス・神経調整・食事)反応の予測、(c)医学生・研修医向けに「胃の電気活動と症状」を結ぶ教材。Hiroは消化器実習で当該ギャップに直面する当事者として、患者・初学者双方の困りを内側から設計できる。