MOCKUP · SPReAD 1000 企画(外観イメージ) #114 · AI for Science/医療テーマ
#114

凝固検査は今も数個の数字に切り詰める——血栓弾性(TEG/ROTEM)の波形をAIで読み、出血と血栓の「型」を装置横断で接地する

🔬 clotscape.research / viscoelastic-hemostasis
CLOTSCAPE — 血栓弾性フェノタイピング
研究プロトタイプ ・ TEG/ROTEM波形を解析(ダミーデータ)
解析波形 4.1万本
解析した粘弾性波形
4.1万本
分離した止血フェノタイプ
9
装置横断較正 TEG↔ROTEM
ρ.88
▲ ドメイン適応
必要輸血製剤の先読み
AUC.89
▲ 要約値.81 超
粘弾性波形(血餅の形成〜硬化〜溶解の時空間フィールド)
横軸=時間/縦軸=血餅強度(中心線から上下対称に開く)。患者波形はMA後に再び閉じ=線溶亢進を示す。要約値R・MA・LY30は波形のごく一部しか拾えない。
R(凝固開始) MA(最大強度) LY30(線溶) 正常MAの上限 正常MAの下限 時間 →(凝固〜線溶)
患者の血餅波形 正常MA基準帯 線溶(LY30)域 R・MAの要約点
波形から分離した止血フェノタイプ 上位(出血リスク寄与)
1早期線溶亢進(外傷性凝固障害)→ トラネキサム酸が効く型.71
2低フィブリノゲン型(MA低下・α角鈍化)→ フィブリノゲン補充.63
3血小板機能寄与の低下→ 血小板輸血.55
4過凝固(血栓傾向・R短縮/MA増大)→ 抗凝固を検討.38
↑ 研究コード名「CLOTSCAPE」。血栓弾性検査(TEG/ROTEM)の血餅形成〜溶解の波形を
AIで表現し、出血・血栓の「型」と必要輸血製剤を装置横断で読み出した完成イメージ。
外傷・大量出血の現場で、全血が固まり溶ける動態を測る血栓弾性検査(TEG/ROTEM)。その波形をR・MA・LY30の数値に切り詰めず、AIで形成〜溶解の「型」として読み、必要な輸血を先読みする——完成したらこう見える、の外観イメージ。
上限 500万円(直接経費) 学生応募可(医学生=当事者) e-Rad 応募 第2回・2026年6月上旬予定 分野:救急・集中治療 × 止血学
🔬 問い・学術的背景

止血の評価はいまもPT・APTT・フィブリノゲン・血小板数という「血漿の断面値」が主役。だが外傷大量出血・DIC・心臓外科・肝移植・産科危機的出血では、全血の血餅が「いつ固まり・どれだけ硬くなり・いつ溶けるか」という動態が生死を分ける。TEG/ROTEMは全血の粘弾性を波形で測れるのに、臨床ではR・MA・LY30など数個の要約値に切り詰められ、波形そのものは捨てられ、判読も装置・施設に依存している。

🎯 仮説・新規性

血餅形成〜溶解の連続波形(時空間フィールド)を表現学習で潜在化すれば、要約値が見落とす早期線溶亢進・低フィブリノゲン・血小板寄与といったサブ表現型が分離し、「何を輸血すれば出血が止まるか」(FFP・血小板・フィブリノゲン・トラネキサム酸)を要約値より早く特異的に読めるはず。既存研究は要約パラメータの回帰止まりで、波形フィールドを装置非依存に接地する萌芽は無い

🤖 AI活用の必然性

高頻度の粘弾性波形+多製剤介入+アウトカムは高次元・縦断・交絡だらけ。立ち上がり・振幅・減衰の微細パターンは人手の要約で失われる。自己教師あり時系列表現+装置ドメイン適応(TEG↔ROTEM)+「どの製剤を入れれば防げたか」の反実仮想は、AIでなければ回らない。

💰 500万円の使途
  • ① GPU計算資源(自己教師あり波形モデルの学習)
  • ② 提携施設の波形データ整備・de-identify(外傷/心臓外科/産科/肝移植)
  • ③ 装置横断較正のファントム・試薬
  • ④ 止血専門医レビュー謝金・倫理審査(IRB)
  • ⑤ 外部検証・データ公開基盤・論文OA・学会発表
📈 期待成果・社会実装(出口)

装置非依存の止血フェノタイプ表現+「必要輸血製剤の先読み」プロトタイプ+外部検証+波形ベースの説明可能バイオマーカー。出口は大量出血プロトコル(MTP)・Patient Blood Managementへの組込みで、過剰輸血を減らし救命へ。まず1施設の後ろ向き検証→前向きパイロット。医学生=教科書の凝固カスケードと現場の粘弾性波形を橋渡しできる当事者

※ 正直な関門:最大の壁はTEG/ROTEMの生波形をベンダーが研究用に取り出しにくいこと。TEGとROTEMは試薬・指標体系が違い装置横断較正は非自明。大量出血は稀でアウトカムが偏り、施設でプロトコルも違う。輸血介入が結果に絡む交絡で反実仮想は慎重な因果設計が要る。学生応募は所属大学のe-Rad機関登録・承認が前提、第2回の公募要領は確定次第の確認が必要。
完成イメージ(ダミーデータ)・対象=血栓弾性検査(TEG/ROTEM)波形 / 企画ログ → spread-plans.md #114