止血の評価はいまもPT・APTT・フィブリノゲン・血小板数という「血漿の断面値」が主役。だが外傷大量出血・DIC・心臓外科・肝移植・産科危機的出血では、全血の血餅が「いつ固まり・どれだけ硬くなり・いつ溶けるか」という動態が生死を分ける。TEG/ROTEMは全血の粘弾性を波形で測れるのに、臨床ではR・MA・LY30など数個の要約値に切り詰められ、波形そのものは捨てられ、判読も装置・施設に依存している。
血餅形成〜溶解の連続波形(時空間フィールド)を表現学習で潜在化すれば、要約値が見落とす早期線溶亢進・低フィブリノゲン・血小板寄与といったサブ表現型が分離し、「何を輸血すれば出血が止まるか」(FFP・血小板・フィブリノゲン・トラネキサム酸)を要約値より早く特異的に読めるはず。既存研究は要約パラメータの回帰止まりで、波形フィールドを装置非依存に接地する萌芽は無い。
高頻度の粘弾性波形+多製剤介入+アウトカムは高次元・縦断・交絡だらけ。立ち上がり・振幅・減衰の微細パターンは人手の要約で失われる。自己教師あり時系列表現+装置ドメイン適応(TEG↔ROTEM)+「どの製剤を入れれば防げたか」の反実仮想は、AIでなければ回らない。
装置非依存の止血フェノタイプ表現+「必要輸血製剤の先読み」プロトタイプ+外部検証+波形ベースの説明可能バイオマーカー。出口は大量出血プロトコル(MTP)・Patient Blood Managementへの組込みで、過剰輸血を減らし救命へ。まず1施設の後ろ向き検証→前向きパイロット。医学生=教科書の凝固カスケードと現場の粘弾性波形を橋渡しできる当事者。