MSは「再発寛解」で語られ、治療も急性再発の抑制が中心。だが2020年代に、障害蓄積の多くが再発と独立に進む(PIRA)ことが明確になった。その実体とされるのが、辺縁に鉄を貯めた活性化ミクログリアが居座る常磁性リム病変(PRL=慢性活動性/くすぶり病変)。PRLは予後不良の独立した画像バイオマーカーだが、専用のsusceptibility撮像と定量が要り、日常診療では数えられていない。
縦断の脳(+脊髄)MRIから、①新規・拡大病巣の自動検出 ②PRLの自動同定・定量 ③再発由来の炎症成分と神経変性(PIRA)成分の分離を、ひとつの装置非依存の表現として学べる、と仮説する。新規性は、病巣の「有無・個数」でなく“くすぶりの強さ”を連続量で捉え、脳病巣が乏しい視神経脊髄型やNMOSD/MOGADの鑑別を含めて日本人で較正する点。欧米の脳病巣前提モデルはこの表現型で当てにならない。
PRLは目視で見落とされ、判読者間一致も低い。さらに susceptibility 信号は施設・磁場(1.5T/3T/7T)で変わるため、装置間ハーモナイズは本質的に機械学習の問題。新旧2時点の微細な病巣変化の検出や、画像と障害(EDSS)の乖離(clinical-radiological paradox)を埋める表現学習は、集計や単純なしきい値では到達できない。
※ MRI装置は既設を使い、新規購入はしない。
出口は、「治療強化を急ぐべき人」の層別(PRLが多くPIRAリスクが高い人を早期に高効力薬へ)と、治験のサロゲート指標。後ろ向き検証 → 読影補助プロト → 前向き較正の順で。日本人の表現型(視神経脊髄型・NMOSD/MOGAD)で公平に評価する基盤を残す。Hiro自身が医学生=当事者世代(MS発症は若年成人に多い)でドメイン理解に優位。