MOCKUP · SPReAD 1000 企画(外観イメージ) #110 · AI for Science/医療テーマ
#110

心電図は高カリウムを「テント状T波」という“見た目”でしか読めない——波形から血清カリウム等の電解質をAIで連続・非侵襲に推定する

🔬 ionecg.research / ecg-to-electrolyte
IonECG — 心電図からの非侵襲・電解質推定
研究プロトタイプ ・ ECG–採血ペアで学習(ダミーデータ)
解析ペア 9,600件
学習ペア(ECG–採血)
9,600
推定する電解質
K·Ca·Mg
血清K 推定誤差(MAE)
0.46mEq/L
▼ 12誘導
高K(≥6.0)検出
AUC.90
▲ ROC
波形に出る電解質サイン(正常 vs 高K)
同じ人でも血清Kが上がるとT波が高く尖り(テント状T波)、P波が平坦化しQRSが広がる。AIはこの形を定量に読む。
正常 血清K 4.2 mEq/L テント状T波 高K 血清K 6.4 mEq/L
非侵襲モニタリング像 — 透析セッション中の推定血清K(連続)
採血は前後の数点だけ。その谷間をAIが不確実性つきで連続に埋め、危険域(K≥6.0)を先読みする完成イメージ。
76543 血清K (mEq/L) 透析前2時間終了 推定が危険域に入る間は採血で確認
推定K(連続) 不確実性帯 実測(採血) 危険域 K≥6.0
↑ 研究コード名「IonECG」。心電図の波形から血清カリウム等を不確実性つきで推定し、
採血の谷間を連続で埋める完成イメージ(ダミーデータ)。
12誘導〜単誘導の心電図波形から、血清カリウム等の電解質を不確実性つきで連続・非侵襲に推定。“テント状T波”を見た目で読む医学を、波形 → 生化学の定量へ——完成したらこう見える、の外観イメージ。
上限 500万円(直接経費) 学生応募可(医学生=当事者) e-Rad 応募 第2回・2026年6月上旬予定 分野:AI医療 × 循環器・腎臓
🔬 問い・学術的背景

高カリウム血症は致死性不整脈の主因なのに症状に乏しく、確認は採血に頼る。医学生は「テント状T波 → QRS幅拡大 → サインカーブ」と習うが、この目視所見は感度が低く、定量もできない。波形には人が読めていない電解質の情報が埋もれているのではないか——が問い。

🎯 仮説・新規性

ECGから血清K(さらにCa・Mg)を不確実性つきの連続値として回帰できる、と仮説する。Mayo 2019 や Kardio-Net(単誘導 MAE 約0.6 mEq/L)は「重症hyperKの二値スクリーニング」止まり。本研究は①作用閾値(6.0–6.5)近傍に較正を集中、②どの波形特徴がどのイオンを担うかを電気生理に接地して説明、③日本人CKD/透析コホートで較正、を萌芽的に狙う。

🤖 AI活用の必然性

イオンの効果はT波・QT・QRS・P波へ非線形かつ交絡(虚血・薬剤・LVH)して現れ、人の目視やルールでは定量不能。表現学習でのみ「波形 → 生化学」の写像が引け、不確実性まで出力できる=AIでしか到達できない粒度。

💰 500万円の使途
  • ① ECG–採血ペアの後ろ向きデータ整備・匿名化
  • ② 単誘導/ウェアラブル収録の予備データ取得
  • ③ 回帰+不確実性モデルの計算資源(GPU/API)
  • ④ 説明性(波形寄与)解析・電気生理への接地
  • ⑤ 倫理審査(IRB)・結果公開(プレプリント)
📈 期待成果・社会実装(出口)

透析・CKD・心不全・救急での非侵襲K監視。在宅/装着型ECGで採血の谷間を連続で埋め、危険域を先読みして受診・透析条件の調整へ繋ぐ。出口は研究用ツール → 医療機器(SaMD)の二段。Hiroは医学生=当事者で、循環器・腎の臨床文脈とデータ設計の両面で効く。

※ 正直な関門:現状の MAE 約0.5 mEq/L は作用閾値の判断には粗く、単誘導はノイズ・電極依存で劣化、虚血や薬剤が交絡する。ラベルは採血タイミングの誤差を含む。"採血を省く"用途は規制と前向き検証が要り、まずは監視の補助に留めるのが誠実。学生応募でも所属大学のe-Rad機関登録・承認が前提。
完成イメージ(ダミーデータ)・先行=Mayo 2019/Kardio-Net(単誘導)等/ 企画ログ → spread-plans.md #110