創薬失敗の多くは「標的が疾患の真の原因でない」ことに由来する。観察研究は交絡で因果を誤るが、遺伝的変異を自然実験に使うメンデルランダム化(MR)なら、タンパク標的を操作したとき疾患・副作用がどう動くかを因果的に推定できる。ヒト遺伝学的裏付けのある標的は治験成功率が約2倍——という知見が土台。
既存のMR創薬は単一疾患・欧州集団・有効性偏重が大半。本研究は(1)MRを二値判定でなく多形質×多組織の"段階的な因果エビデンス"として表現学習し、(2)有効性と標的由来の副作用(フェノムワイドMR)を同一平面で同時評価、(3)日本人/東アジアで較正する点が新規。
数千形質×数万タンパク×多組織の組合せは爆発的で、水平多面発現・aptamer特異性・弱い操作変数といったバイアス補正も要る。MR-informed なAI(勾配ブースティング/グラフ学習)が、人手では不可能な規模で標的の優先順位と安全域を学習する。MRとMLの統合は治験成功率を未選別比で約6倍に高めたとの報告もあり、AIでしか届かない規模。
既承認薬のリポジショニング候補と新規標的の"有効性×安全性"地図を出力。製薬・アカデミアへの標的提案や、医師主導の検証研究の入口に。Hiro自身が医学生=疾患ドメインの当事者として、出てきた標的の臨床的妥当性を見立てられるのが優位。