MOCKUP · SPReAD 1000 企画(外観イメージ) #106 · AI for Science/医療テーマ
#106

「効いて・害が少ない」創薬標的を遺伝子から因果で当てる——MR×AIで標的地図を描く

🔬 causalrx.research / mr-target-map
CausalRx — 因果創薬標的マップ
研究プロトタイプ ・ 公開GWAS/pQTL/eQTLを統合(ダミーデータ)
候補標的 1,842
統合した形質(GWAS)
4,300形質
評価したタンパク標的
2.1
因果が立つ候補
142
治験成功の濃縮(推定)
×2.8
▲ GWAS単独比
標的の「有効性 × 安全性」マップ(MRで因果推定)
点=候補タンパク標的。右ほど疾患への因果効果が強く(有効)、上ほど副作用シグナルが少ない(安全)。右上=理想ゾーン。
理想ゾーン(効いて安全) 効くが副作用シグナル 有効性の因果効果(MR)→ ↑ 安全性(副作用が少ない) 標的α 標的γ 標的δ 標的β ⚠
理想(効いて安全) 効くが副作用シグナル その他の候補標的
因果プライオリティ 上位(有効性 × 安全の統合スコア)
スコア=有効性のMR因果効果を、安全性(フェノムワイドMR)で割り引いた優先度。⚠=安全性シグナルあり。
1標的α — 冠動脈疾患(既承認薬のリポジショニング候補)92
2標的γ — 2型糖尿病(新規標的)80
3標的δ — 慢性腎臓病(安全だが効果は中程度)68
4標的β — 自己免疫(有効だが副作用シグナル ⚠)58
↑ 研究コード名「CausalRx」。公開GWAS/pQTLを統合し、メンデルランダム化×AIで
創薬標的の「有効性×安全性」を因果から地図化した完成イメージ。
公開GWAS/pQTL/eQTLを統合し、遺伝的変異を自然実験に使うメンデルランダム化×AIで「効いて・害が少ない」創薬標的を因果的に優先順位づけ、日本人で較正する——完成したらこう見える、の外観イメージ。
上限 500万円(直接経費) 学生応募可(医学生=当事者) e-Rad 応募 第2回・2026年6月上旬予定 分野:遺伝疫学 × AI創薬
🔬 問い・学術的背景

創薬失敗の多くは「標的が疾患の真の原因でない」ことに由来する。観察研究は交絡で因果を誤るが、遺伝的変異を自然実験に使うメンデルランダム化(MR)なら、タンパク標的を操作したとき疾患・副作用がどう動くかを因果的に推定できる。ヒト遺伝学的裏付けのある標的は治験成功率が約2倍——という知見が土台。

🎯 仮説・新規性

既存のMR創薬は単一疾患・欧州集団・有効性偏重が大半。本研究は(1)MRを二値判定でなく多形質×多組織の"段階的な因果エビデンス"として表現学習し、(2)有効性と標的由来の副作用(フェノムワイドMR)を同一平面で同時評価、(3)日本人/東アジアで較正する点が新規。

🤖 AI活用の必然性

数千形質×数万タンパク×多組織の組合せは爆発的で、水平多面発現・aptamer特異性・弱い操作変数といったバイアス補正も要る。MR-informed なAI(勾配ブースティング/グラフ学習)が、人手では不可能な規模で標的の優先順位と安全域を学習する。MRとMLの統合は治験成功率を未選別比で約6倍に高めたとの報告もあり、AIでしか届かない規模。

💰 500万円の使途
  • ① 公開サマリ統計の統合(Open GWAS/UKB-PPP・deCODE pQTL/GTEx eQTL)
  • ② GPU・計算資源(表現学習・大規模MR)
  • BioBank Japan 等の日本人GWASとの連結=東アジア特異標的の検証パイロット
  • ④ コロカリゼーション解析の整備(偽陽性の排除)
  • ⑤ 結果公開(プレプリント・可視化Web)
📈 期待成果・社会実装(出口)

既承認薬のリポジショニング候補と新規標的の"有効性×安全性"地図を出力。製薬・アカデミアへの標的提案や、医師主導の検証研究の入口に。Hiro自身が医学生=疾患ドメインの当事者として、出てきた標的の臨床的妥当性を見立てられるのが優位。

※ 正直な関門:MR創薬は近年論文が急増した混雑領域で新規性の主張が難しい。MRの仮定(関連・独立・除外制約)は破れやすく、pQTL/eQTLは欧州偏重で組織特異性の罠もある。日本人pQTL資源は乏しく較正パイロットの規模が制約。萌芽=計算機上の仮説生成にとどまり因果≠臨床効果。応募には所属大学のe-Rad機関登録・承認が前提で、第2回の正式日程・公募要領は確定次第の確認が必要。
完成イメージ(ダミーデータ)・公開GWAS/pQTL想定/ 企画ログ → spread-plans.md #106