希少疾患の3〜4割は顔貌に特徴(dysmorphism, gestalt)が出るが、その"顔つき"を見抜けるのは限られた臨床遺伝専門医・dysmorphologistだけ。日本は専門医が少なく、確定診断まで数年に及ぶ「診断オデッセイ」が常態化している。一方で先行のDeepGestalt/Face2Geneは欧米中心の顔貌データで学習され、Down症の認識率が白人で約80%に対し一部の集団で約37%という民族バイアスが報告されている。アジア人・日本人での妥当性はほぼ未検証——という空白が問い。
顔貌の微細形態を「症候群に依存しない表現(embedding)」として学習し、(1)アジア人・日本人で再較正すれば欧米モデルの民族バイアスを是正できる、(2)ランドマークのみ抽出・復元不能化する『プライバシー保護表現』で顔写真の最高度PII問題を緩和できる、(3)HPO・ゲノム(#59と相補)と統合すれば候補疾患をさらに絞れる、を検証する。萌芽性の核は「公平性 × プライバシー × 希少Nでの較正」という未解決問題に正面から挑む点。
顔貌gestaltは多数の微細形態の高次元な組み合わせで、人間には言語化しづらく経験依存が大きい。表現学習でこそ定量化・転移・民族別の公平性評価が可能になる=集計や単純な計測では到達できない。
小児科初診・乳幼児健診での"気づき"トリアージ(確定診断ではなく専門医紹介の後押し)、診断遅れの短縮、民族別精度差を明示した公平性レポートの公開。最終診断はゲノム検査・専門医で確定する前提の補助ツールに留める。