MOCKUP · SPReAD 1000 企画(外観イメージ) #102 · AI for Science/医療テーマ
#102

希少疾患の「顔つき(gestalt)」をAIで読む——顔貌をアジア人で公平に較正し、診断オデッセイを短くする

🔬 phenoface.research / fair-facial-phenotyping
PhenoFace — 顔貌フェノタイピング
研究プロトタイプ ・ 合成顔/ダミーデータで表示(実患者画像ではありません)
公平性監査つき
学習した症候群
486
較正用 日本人顔貌
1,240
▲ 同意付き匿名
Top-10 候補的中
88%
▲ 検証セット
民族別 精度差
3.1pt差
▼ 較正後に縮小
顔貌ランドマークと微細形態(合成顔・ダミー)
点=抽出した顔貌ランドマーク/破線=計測(眼間距離・人中長など)。顔写真そのものは保持せず、座標・距離の表現に変換する想定。
眼間距離 瞼裂傾斜 ↗ 人中長
顔貌ランドマーク 形態計測(眼間距離・人中長) 注目所見(瞼裂傾斜)
候補症候群マッチ 上位(顔貌gestalt一致度・ダミー)
確定診断ではなく、専門医紹介・ゲノム検査の優先度づけのための候補提示。
1ヌーナン症候群(疑い)71%
2コルネリア・デ・ランゲ症候群58%
3ウィリアムズ症候群49%
422q11.2欠失症候群41%
↑ 研究コード名「PhenoFace」。顔貌gestaltをAIで表現し、
アジア人で公平に較正して候補症候群を絞る完成イメージ。合成顔・ダミーデータ。
希少疾患の「顔つき(gestalt)」をAIで表現し、欧米偏重モデルの民族バイアスをアジア人・日本人で公平に較正。顔写真を持たず座標・距離に変換するプライバシー保護表現で、小児の診断オデッセイを短くする——完成したらこう見える、の外観イメージ。
上限 500万円(直接経費) 学生応募可(医学生=当事者) e-Rad 応募 第2回・2026年6月上旬予定 分野:臨床遺伝 × 公平な表現学習
🔬 問い・学術的背景

希少疾患の3〜4割は顔貌に特徴(dysmorphism, gestalt)が出るが、その"顔つき"を見抜けるのは限られた臨床遺伝専門医・dysmorphologistだけ。日本は専門医が少なく、確定診断まで数年に及ぶ「診断オデッセイ」が常態化している。一方で先行のDeepGestalt/Face2Geneは欧米中心の顔貌データで学習され、Down症の認識率が白人で約80%に対し一部の集団で約37%という民族バイアスが報告されている。アジア人・日本人での妥当性はほぼ未検証——という空白が問い。

🎯 仮説・新規性

顔貌の微細形態を「症候群に依存しない表現(embedding)」として学習し、(1)アジア人・日本人で再較正すれば欧米モデルの民族バイアスを是正できる、(2)ランドマークのみ抽出・復元不能化する『プライバシー保護表現』で顔写真の最高度PII問題を緩和できる、(3)HPO・ゲノム(#59と相補)と統合すれば候補疾患をさらに絞れる、を検証する。萌芽性の核は「公平性 × プライバシー × 希少Nでの較正」という未解決問題に正面から挑む点。

🤖 AI活用の必然性

顔貌gestaltは多数の微細形態の高次元な組み合わせで、人間には言語化しづらく経験依存が大きい。表現学習でこそ定量化・転移・民族別の公平性評価が可能になる=集計や単純な計測では到達できない。

💰 500万円の使途
  • ① 公開データセット(GMDB等)の利用申請・倫理審査
  • ② 日本人/アジア人の同意付き匿名顔貌の少数収集・前処理
  • ③ プライバシー保護表現(ランドマーク化・差分プライバシー)の実装
  • 民族別の精度差を測る公平性評価
  • ⑤ 臨床遺伝専門医のレビュー・結果公開
📈 期待成果・社会実装(出口)

小児科初診・乳幼児健診での"気づき"トリアージ(確定診断ではなく専門医紹介の後押し)、診断遅れの短縮、民族別精度差を明示した公平性レポートの公開。最終診断はゲノム検査・専門医で確定する前提の補助ツールに留める。

※ 正直な関門:顔写真は最高度のPIIで同意・倫理審査が重く、漏えい被害も大きい。症候群ごとの陽性Nが極端に小さく、アジア人データはさらに乏しい。撮影条件・年齢・表情・人種で見え方がばらつく。遺伝学的検査が確定診断でありAIは補助のみ。先行のFace2Geneとの差別化(=公平性・プライバシー・日本人データ)を示せねば新規性が弱い。#59(HPOテキスト)とは入力(顔画像)と技術核(表現学習・公平性)が異なる相補的テーマ。
完成イメージ(ダミーデータ・合成顔)・分野=臨床遺伝/顔貌形態解析・公平な表現学習 / 企画ログ → spread-plans.md #102