MOCKUP · SPReAD 1000 企画(外観イメージ) #6 · AI for Science/医療テーマ
#6

事故は「穴が揃ったとき」起きる——インシデント報告のNLPで医療の潜在リスク構造を解明する

🔬 hiyari.research / patient-safety-nlp
Hiyari — 医療安全インシデント構造化
研究プロトタイプ ・ インシデント/ヒヤリハット報告を解析(ダミーデータ)
解析報告 1.84万件
構造化した報告
1.84万件
潜在リスク要因
14
重大度(harm)予測
AUC.90
▲ 報告文から
重大化の前兆検出
81%
▲ 共起から推定
潜在リスクの「スイスチーズモデル」(防護の穴が揃う経路)
各層=医療プロセスの防護/白い穴=報告から抽出した潜在リスク/赤い経路=穴が一直線に揃い重大化。
確認の形骸化 穴が揃う=重大化 ハザード 潜在要因 患者へ 事故 指示 処方・調剤 準備・確認 投与 監視
防護層(医療プロセス) 防護の穴(潜在リスク) 事故化の経路(穴が揃う)
潜在リスク要因 上位(重大インシデントとの共起率)
報告文から抽出した要因/赤=重大化(harm)と共起しやすい潜在リスク。
1口頭指示の復唱欠落58%
2類似名称薬の取り違え52%
3時間外・人員減での確認省略47%
4ダブルチェックの形骸化43%
5申し送り・情報共有の欠落39%
↑ 研究コード名「Hiyari」。インシデント・ヒヤリハット報告(自由記述)をNLPで構造化し、
潜在リスクが「揃う経路」と重大化の前兆を可視化した完成イメージ。
病院に埋もれるインシデント・ヒヤリハット報告(自由記述)をNLPで構造化し、害の重大度予測と「防護の穴が揃う潜在リスク経路」を可視化。事故の前兆を捉える——完成したらこう見える、の外観イメージ。
上限 500万円(直接経費) 学生応募可(医学生=当事者) e-Rad 応募 第2回・2026年6月上旬予定 分野:医療安全 × 臨床テキストマイニング
🔬 問い・学術的背景

医療事故は単一の失敗でなく、Reasonの「スイスチーズモデル」が示すように複数の防護の穴が一直線に揃ったときに起きる。病院には膨大なインシデント報告(自由記述)が蓄積するが、多くは集計・分類止まり。「どの潜在要因が・どの工程で・どう連鎖して重大化するか」を大規模・定量的に構造化した日本語の公開研究は乏しい。

🎯 仮説・新規性

報告文をNLPで構造化すれば、(1)害の重大度(harm)を高精度に予測でき、(2)復唱欠落・類似名称薬・確認省略などの潜在リスク要因を型として抽出でき、(3)それらの共起・連鎖を「揃いつつある穴」として前兆検出できる、と仮説。日本語・大規模・スイスチーズ的な潜在リスク構造の軌跡化は新規(海外はFDA MAUDE等の英語が中心)。

🤖 AI活用の必然性

報告は非定型で量が膨大(年数万件規模)、かつ重大化は要因の組合せで起きる。文埋め込み・重大度回帰・要因抽出・共起グラフを組み合わせて初めて、人手集計では見えない潜在リスクの連鎖と前兆を捉えられる。LLMの要因タグ付けと専門家判定の一致検証、報告バイアスの補正もAIで扱う。

💰 500万円の使途
  • ① 協力施設の報告の二次利用合意・倫理審査・厳格な匿名化/De-ID基盤
  • ② 安全管理者による潜在要因・重大度のアノテーション(ゴールド)
  • ③ GPU/API(埋め込み・系列・LLM評価)
  • ④ 共起構造ダッシュボード試作
  • ⑤ 学会発表・プレプリント公開
📈 期待成果・社会実装(出口)

日本語・医療安全報告の重大度予測ベンチマーク+潜在リスク構造マップ=学会発表・論文。加えて安全管理部門向けの「揃いつつある穴」前兆アラート試作。Hiroは医療安全教育を受ける医学生・報告の当事者で、現場の報告文化と書かれ方の癖を内側から設計できる。

※ 正直な関門:インシデント報告は極めてセンシティブ(患者・職員の特定リスク)で、施設横断のデータ共有合意と倫理審査が最大の関門。報告バイアス(重大例ほど詳述/氷山の一角)で母集団が歪む。スイスチーズは概念枠組みで過度な定量化は禁物。「前兆検出→事故減」の因果には介入研究が要る。学生応募はe-Rad機関承認が前提、第2回日程は確定次第確認。
完成イメージ(ダミーデータ)・元データ=医療安全インシデント/ヒヤリハット報告(みんこく非依存)/ 企画ログ → spread-plans.md #6